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2008.07.25 Friday

なぜ「世界」があり、なぜ「自分」がいるのか。

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    必要に駆られて……あるいは、単純に、読まずにいられなくて……
    俺はときどき、宇宙論の本を読みます。
    読んだばかりの本に書いてあったことで、自分に強く焼きついた一節を、
    ぜひ。

    ★そもそも、宇宙が人間を生むような条件を偶然に整える可能性は、
    どのくらいあるのか。すなわち、物質やエネルギーの量が偶然に
    調整される確率、陽子と中性子の結合力が偶然に最適化される確率など、
    いっさいを掛け合わせたもの。
    それは、たとえば10の何千乗分の1といった、ほぼ起こりえない、
    極小の確率になると推測されています。

    『大宇宙・七つの不思議』佐藤勝彦監修(PHP文庫)より

    ★「平坦性問題」とは、この宇宙空間がなぜ、曲率(空間の曲がり具合)を
    ゼロとみなしていいほど平べったく見えるのか、という問題です。(中略)
    空間は、エネルギーがあればとたんに曲がってしまいます。宇宙の初期の頃に
    少しでもひずんでいると、宇宙は急激に曲がることになり、曲率は大きく
    なってしまいます。
    宇宙が始まって10のマイナス44乗秒の頃に、仮に神様が宇宙をつくったと
    すると、宇宙にあるエネルギーの量を、120桁ぐらいの正確さできちんと
    決めてやらないと、平坦なままでは膨張させることはできません。それは、
    1.000000……という0が120個並んだ最後が1か2か、という違いで
    宇宙の運命が決まってしまうほど不安定なのです。

     『宇宙論の飽くなき野望』佐藤勝彦(技術評論社)より

    これらの問題にクールに答える、マルチバース理論があることは分かっているが……
    それでも、宇宙のことを知れば知るほど、俺は
    「恩寵」という言葉を想起せずにはいられない。

    なぜ「世界」があり、なぜ「自分」がいるのか。

    この究極の問いに挑むことは、間違いなく、自分が小説を書く理由の一つだ。
    これらの問いを手放すことはありえない。

    この宇宙にどうしようもなく捕らわれながら、
    この宇宙を越えようとする意志はなくしたくない。

    人間とは、意味と価値を喰って生きる生き物だ。
    できるだけ質の高い、意味と価値がないと生きられない。
    (みんなそうだと思いたい。)
    そして小説は、意味と価値を扱うことができる。
    もしかしたら――最強のツールかもしれない。
    ただし、扱う人間が正しく扱って、その威力を最大限に引き出せれば、
    の話だけど。
    威力を最大限に発揮できてる小説は、ほとんどないけど。
    いやもちろん、俺もまだ書けてないけど(笑)
    でも、死ぬまでには絶対書きたいです。
    コメント
    Newtonの八月号が、宇宙論でしたね。
    こういうのを見ていると、人間なんて、ほんのちっぽけなものに思えます。
    そんなちっぽけなものが、いろいろ考えたり作り出すのって、本当に素敵なことですよね!
    • まっちも
    • 2008.07.25 Friday 23:02
    まず手始めにモリブデッツの人たちの話を
    もっと書いてほしいなあ。
    読むのあっという間だったので。

    もっとこの劇団の話を読みたいなと思いました。

    沢村さんは、たとえばこの話が映像になったり
    するとしたら誰のイメージで書いたのか聞いて
    みたいなあと思いました。
    特に女子。
     あと、実際にどうしようもなくめろめろ
    ボロボロにされてしまった経験があるのですか?!
    さしつかえなければ教えてください。


    • じたくん
    • 2008.07.26 Saturday 00:21
    >まっちもさん
    初めての書き込みありがとうございます。
    Newton は俺も読みました。最新宇宙論は大好物です。
    こういうことに思いを馳せると、日常生活に埋まって
    しまった感性とか、甦る気がしますよね。

    >じたくんさん
    あれ、もう読んでいただいたのですか?
    購入していただいたばかりとおっしゃってませんでしたっけ?
    とにかく、お読みいただきありがとうございます!

    モリブデッツの世界は、本編『運命の女に気をつけろ』
    だけには留まりません。
    ポプラビーチに番外編「モリデブ日記」が掲載、
    ピュアフル文庫『もうひとつの夏休み。』に
    スピンオフ作品が収録されています。
    (詳しくは、私のサイトや過去のブログをご覧下さい)
    よろしければぜひお読みいただけると嬉しいです。

    執筆中は、だれのイメージとか特になかったです。
    書き上がってから、仮想キャスティングをしたことは
    ありますが…まあ、これから読む方のイマジネーションを
    狭めてしまうので、口をつぐんでおきます。

    「どうしようもなくめろめろボロボロ」ですが、
    程度の差こそあれ、恋には付き物の経験じゃないでしょうか。
    つまらない答えですみません(笑)
    • 沢村鐵
    • 2008.07.26 Saturday 03:45
    買ったのは昨日の昼過ぎです。帰ってからすぐ読み始めました。引き込まれてがーっと読んだので、本当にあっという間で。もう終わってしまうのーって感じでした。
    デビュー作の方も読んでみたいです。
    • じたくん
    • 2008.07.26 Saturday 12:06
    じたくんさん、そんなに一気に読んでいただけて
    嬉しいです!

    『運命の女に気をつけろ』は、読者の方をとにかく
    楽しませて先へ先へ読んでいただくことだけを
    考えて書いたものなので。
    デビュー作『雨の鎮魂歌(レクイエム)』は
    またがらっとちがう雰囲気の小説だと思います。
    よかったら読んでいただければ本当に嬉しいです。
    いま、書店にはほとんどありませんが、
    ネット(アマゾンなど)なら問題なく入手できますよ。

    とにかくこの度はありがとうございました。
    • 沢村鐵
    • 2008.07.27 Sunday 22:12
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